目次
ブランド戦略を考えるには?
ブランド戦略をするためにには、まずは分析すること‼そして、その結果をもとにブランド戦略を考えることが重要となります。
デジタルマーケティングの専門家
杉山 永里子です。
ブランド戦略はブランディングのコンセプトともいえます。分析した結果と照らし合わせながら、ブランド戦略を固める必要があります。あなた自身が見込み客や顧客にどのように思って欲しいかを明確にするため、そして差別化をはかるためにはブランド・アイデンティティを決めていきます。
私が最初にビジネスを始めた時にはブランド・アイデンティティのことは全く考えることももなく、「こんな感じになればいいな」とふわっとした考えでスタートした結果、一貫性がなくブランド構築が出来ませんでした。現在は、ブランドを構成する全ての要素を一致させて活動しています。
ブランド・アイデンティティというあなたの独自の価値と見込み客や顧客の心の中のイメージを一致させるようブランド構築をしていくようにしていきましょう。
今回は、『ブランディング戦略に必要なブランド・アイデンティティの決め方』についてご紹介します。
ブランド・アイデンティティの決定方法
ブランディングにおいて最も重要なのは、ブランドアイデンティティです。ブランド・アイデンティティとは、自分のブランドの特徴を言語化して誰からも見られるようにすることで「あなたが意図して作り上げる、顧客からブランドに対する連想イメージの集まり」であなたが顧客に感じてほしいイメージといえるでしょう。
ブランド・アイデンティティを決める際には、
-
製品のイメージ
-
組織のイメージ
-
人のイメージ
-
シンボルのイメージ
の4つから考えるとよいでしょう。
製品イメージは、ブランド名から商品の属性を連想させることで、製品や商品が特定のサービスを備えていたり、特別な作り方でで作成しているイメージです。
組織イメージは、会社組織の理念や文化を連想させ、新しいものを作り挑戦し続ける等のイメージがこれにあたります。
人のイメージは、顧客とブランドの関係性を連想させ、結婚に憧れている女性のような連想のようなイメージが考えられます。
シンボルイメージは、想像しうる限りのあらゆる象徴を連想させ、夢の国、夏の祭り、日本文化といったものの象徴としてイメージを作ることになります。
1 提供するブランドの価値を設定する
ブランドを強く育てるためには、ブランドの価値を高める必要があります。そのためには、ブランドでどの程度の価値を提供するべきなのかを設定しましょう。設定した価値を目指すことでブランドの価値が高まっていき、強いブランドへと成長することができます。
ところで、ブランドの価値とは何で決まるのでしょうか?
価値も、ブランドと同様に抽象的で曖昧です。価値が何なのかを定義できなければ、目的すらも曖昧になってしまいます。ここで確認したいのがブランドの定義です。ブランドの定義は、「顧客に感情移入してもらえるモノやサービス」です。
この定義をより達成できるブランドには、価値があるといえそうです。つまり、ブランドの価値は「顧客に提供できる感情の度合い」で決まると定義できます。この場合、顧客に提供したい感情は「喜び」なので、喜びの度合いとも言い換えられます。
ブランド・アイデンティティを踏まえて、顧客により喜んでもらうにはどうすればいいかを考えてみてください。ブランドの性能やデザイン、使用感など、喜びを大きくする切り口は様々です。
より喜びを与えられるものを設定し、より強いブランドの提供を目指しましょう。
2 知覚品質を設定する
知覚品質とは、顧客が認識している品質のことを指します。ここで注意したいのは、知覚品質が実際の品質とは違う点です。
たとえば、用意するのが難しいため高い食材があるとします。提供する側としては希少な食材なので高い値段を付けたいところですが、顧客から見れば量が少ないのに高い食材という認識になってしまいます。安い食材と味が変わらないようであれば、なおさら買いたくないでしょう。
このように、提供する側から見れば価値がある商品でも、顧客から見た品質、つまり知覚品質が低ければ購入されません。逆に、実際は安くて手に入れやすい商品でも、知覚品質が高ければ高価でも売れます。
そこで、より高い価格で商品が売れるように、ブランドが目指す知覚品質をどういったものにしたいかを設定してみましょう。知覚品質を高めるためには、信憑性に着目してみてください。信憑性がどう関わるかは、テレホンショッピングを想像するとわかりやすいでしょう。
はじめに知らない商品が出てくると、何ができるかわからないから買いたいとは思いません。これは、その商品を信用していないといえるでしょう。
しかし商品の説明や実演を見て性能や品質を知るうちに、だんだん商品を買いたいと感じてきます。そして信用できる商品だと認識すれば、商品を購入します。このように、商品が信用できるという情報を与えることで知覚品質が高まっていき、商品の購入に繋がります。
商品の品質や成分だけでなく、産地や実績、ユーザーの声、広告の出し方など、信憑性を高められる情報は余すことなく提示しましょう。
どれだけの情報を提示して、どのような知覚品質を与えるか、この段階で設定するようにしてください。
3 ブランド連想を設定する
ブランドアイデンティティで出てきた連想イメージとは違い、ブランド連想はブランド名を聞いて思い浮かぶイメージです。
あなたは、「アップル」や「トヨタ」というキーワードを聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
おそらく有名な企業が連想できたと思います。それと同時に、その企業の特徴やイメージが頭に浮かんだはずです。このように、強いブランドには連想されるイメージがあります。
どういった連想を顧客に与えたいか、設定することが大切となります。ブランド連想には6つの段階があり、段階が進むごとに顧客に感情移入してもらえる強さが増していきます。
6つの段階とは
-
ブランド認知
-
名刺的な連想
-
形容詞的な連想
-
5W1H的な連想
-
提供価値に関する連想
-
感情移入
と表すことができます。
ブランドについてより詳細に連想できるようになることで段階が進み、最後の段階まで進むことができれば競合に負けない強いブランドになったといえるでしょう。
ブランド連想について気を付けたい点は、ブランド連想は簡単に変更せず、一貫して維持し続けなければならないということです。PDCAサイクルを回す等でブランド連想を変えてしまうと、ブランド連想が定着しないため、感情移入できないブランドになってしまいます。
すでに段階が進んでいるブランド連想を変えてしまったら、ビジネスが後退することにもなります。ブランド連想は維持し続け、ブランドの一貫性を保つようにしてください。
4 ブランドパーソナリティを設定する
ブランドパーソナリティとは、ブランド連想を人格に例えたものにあたります。ブランドが人格を持ったとしたらどんな人になるか、という質問の答えともいえるでしょう。
ブランドパーソナリティを設定することで、顧客の記憶にブランドが残りやすくなり、親しみを感じさせやすくなる効果があります。人の名前だけでは覚えるのが大変でも、人となりがわかれば記憶に残りやすいことからも、ブランドパーソナリティの意義を理解できるかと思います。
ブランドパーソナリティの意義は、記憶の残り安さだけではありません。ブランド連想をポジティブなものに変える効果もあります。
ブランド連想だけでは、ブランドの特徴を羅列している状態なので、どうしても競合と似たイメージを拭い切ることは難しいでしょう。そこにブランドパーソナリティが加わることで、ブランドに独自の人間性が与えられます。
すると人間性によってブランドが差別化され、ブランド連想をポジティブに受け止めやすくなります。このように、ブランドパーソナリティはそれ単体でも個性になる上に、ブランド連想の段階を進めることにも繋がります。
さらに、人格はなかなか変えられないというイメージがあれば、ブランドに一貫性を持たせるためにブランドパーソナリティを設定するのは有効です。ブランドパーソナリティを設定するメリットは、強いブランドを作るうえで大きな役割を果たすでしょう。ブランドアイデンティティやブランド連想をもとに、ブランドの人格を設定してみてください。
まとめ
ブランドアイデンティティを決める際には、製品のイメージ、組織のイメージ、人のイメージ、シンボルのイメージの4つから考えるとよいでしょう。
ブランド・アイデンティティにおいて気を付けたいのは、独りよがりにならないように決めなければならない点です。
ブランド・アイデンティティはあくまで与えたい連想イメージなので、顧客に受け入れられなければブランド戦略が機能せず、ブランディングの失敗に繋がります。顧客に受け入れられるには、ブランドが目指す将来像を自分に置かず、社会やライフスタイルに置くことが大切となります。